カチオン電着塗装とは
導電性のある水溶性塗料を入れた電着槽に、被塗装物を浸漬し、被塗物を陰極(-)、電着槽内の隔膜室内に設置した極板を陽極(+)として、この間に直流電流を流すことで被塗物側に塗膜を析出させた後、硬化させることにより、優れた塗膜を得る塗装システムです。
塗膜は防錆性能に優れ、1000時間以上の塩水噴霧試験に合格する実力を持ち、エポキシ樹脂系塗料で表面がコーティングされるので耐防食性が従来と比較すると飛躍的にアップします。
各自動車メーカーの足廻り部品のほとんどは、カチオン電着塗装を行なっております。
カチオン電着塗装の特徴
数ある塗装の中で、カチオン電着塗装が選ばれることには理由があります。
一般的に、カチオン電着塗装には以下の特徴がございます。
- 被塗物の構造に関係なく「塗膜均一性」で内面・凹部の隅々まで塗装できます
- 防錆性のすぐれた塗膜が得られます
- 回収率が95%と塗料ロスがごく僅かで経済的な塗装システムです
- VSOをほとんど使用しないため、いわば環境適応型塗装方法です
- エポキシ樹脂。環境対策のため、鉛フリーであります
- 耐食性にたいへん優れています。
被塗物の材質
カチオン電着塗装が可能な材質は以下の通りです。
- 鉄
- ステンレス
- 鍛造品
- 鋳造品
- 通電する材質は基本的に可能 (但し、アルミは不可)